本屋に行くと、いっつも視界に入っていた「嫌われる勇気」。
いまさらだけど読み始めた pic.twitter.com/26fX5Yfs2b
— ルカ (@RUKAv2) 2016年3月13日
読め!読もう!という感じで積まれていると「うーん」と思ってしまうひねくれたわたしは、なかなか手に取ることはありませんでした。
しかし、気になってとうとう買ってしまいました。
「寝る前に読もう」と思って0時くらいに読み始めたら、面白すぎて気がついたら朝になっていたくらい夢中で読みました。
「嫌われる勇気」の好きなところ
わたしが個人的に好きだと思ったところ、ここが素敵!と思ったところをまとめます( ´ ▽ ` )
今が過去を決める
この本で一番最初に出てくる内容です。
「トラウマを否定せよ」というところですね。たしかに、過去が今を決めるなら、同じような過去を持つ人は 同じような今を過ごすことになりますが、そんなことはありえません。
一見「過去のせいにするな」という厳しい意見に思えますが、本当に言いたいのは「過去がどんなものでも、今は変えられるから大丈夫」というとても優しいことなのではないかと感じました。
子供時代の出来事や、自分ではどうしようもなかった過去のことでも、「今の自分」次第でどうにでもなるということです。
わたしはここを読んだとき、なんだかとても安心しました。
他者の課題を切り捨てる
これは、わたしがずっと意識してきたことです。
どこから自分の課題で、どこからが他者の課題か。
ここをはっきりさせると、他者の課題に介入することが防げるだけでなく、自分が他者の課題を背負い込むこともなくなります。非常にラクです。
だからわたしは、他者の課題についてアドバイスを求められても、「援助」にとどめて「介入」はしないように気をつけています。
「ただ、これはわたしの考えだから、あなたがしたいようにするのがいいと思うよ」と言うようにしています。
わたしはこれが優しさから出る言葉なのか、「他者の問題に責任を持ちたくない」という冷たさから出る言葉なのか、自分でわからずにいました。
今でもわかりませんが、この章を読んで、「まあこれでいっか」と思えるようになりました。
「その人がしたいようにするのが一番いい」とはずっと思っているし、わたし自身も他人にとやかく言われたりそれこそ「介入」されるのは好きじゃないので、このスタンスのまま生きていきたいです。
自分には価値がある
高く評価すること、ほめることは一見良いことのように思えるけど、それは本当の意味で他人に価値を感じさせる要因とはなっていない、という内容です。
価値があると思えるかどうかは、「主観で他者の役に立っていると思えるか」にかかっています。
そのためには、評価するよりほめるより、感謝の言葉が大切です。
子供に対してもそう。家事を手伝ってくれたら、「えらいね」ではなく「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えます。
他人の役に立っていると思うことができれば、自然と自分に価値を感じられるようになるんですね。
価値と自信はわたしの中で通じるものがあります。昨日書いた「ダイエットをする理由」もそうですが、ダイエットが自分を受け入れるきっかけになったり、自分に価値があると思えるきっかけになればいいなと思うんです。
自己肯定ではなく自己受容
「自分を受け入れる」と今書きましたが、アドラーでは「自己肯定」ではなく「自己受容」を大切にしています。
自己肯定では、「本当はそうではないのに無理やり認めようとする」意味が含まれるそうです。対して自己受容は、「ありのままの自分を受けいれる、そのまま受け入れる」という意味があります。
大切なのは自己受容。一般的には自己肯定も同じ意味で使われるように思いますが、細かく言うとそういうことらしいです。
「いま、ここ」に強烈なスポットライトを当てる
わたしは昔、明日のことも、その次に来る日のことも、さらにはずっと先の将来のことが心配でたまらないと毎日思っていました。
ちょうど小学生から中学生の頃です。そのせいで長い間学校に行けなかったこともありました。
今は180度違う性格や考え方を持っていますが、その頃は「いま、ここ」を考えられなかったのだと思います。
いろいろな箇所、ステージの隅から客席のずっと向こうまで、ぼんやりとしたスポットライトを当てて生きていたのかもしれません。
この本では、「自分の今いるところだけに強烈なスポットライトを当てろ」と言っています。
前も後ろも見えないくらい、今だけに強烈に光を当てて生きていくんです。青年はここで「前も後ろも見えないよ!」と訴えていますが、哲人は「それでいい」と答えています。「なんの問題もない」と。
これは、一番最初に出てきた「今が過去を決める」という内容にも関わります。
過去は今に何の関係もない。だから見えなくてもなんでもいい、ということです。スティーブジョブズの「点と点をつなぐ」話に似ています。
ダンスするように生きる
ここが個人的に一番好きなところでした!♡
どこかを目指して歩く山登りと対比して「ダンス」と称していたのですが、本当に素敵だな〜と感じました。
わたしは山登り的な考えで人生を見ていて、それが辛いとずっと思っていました。
目標を決めてそこに向かおうとすると、とても辛くなるんです。「その目標を達成できなかったらダメだ」とプレッシャーが強くなってしまい、自己嫌悪に陥ってしまうことがよくありました。
でも、山登りではなく「ダンス」だとして人生を考えると、とてもラクに、そして楽しく考えられるようになりました。
ダンスは、自分ではその場で踊っているだけのつもりでも、気がついたらどこかに移動していた、ということがありますよね。
人生も同じで、気がついたら移動していた、気がついたらここまで来ていた、というものでいいんじゃないか、と哲人は言っています。
ダンスを踊っている「いま、ここ」さえ充実していればそれでいい、とも言っています。
ここを読んで、ほんとーにラクになりました。
まとめ
この本を読んで、わたしは「衝撃!」とは思いませんでした。
むしろ、ずっとふわふわと持っていた考えが腑に落ちた感じです。
他者の課題を切り捨てるのもそうだし、自己受容もそう。
ただ、このような考えがアドラー心理学に関わっていたとは、まったく知りませんでした。
読み終わって最初の気持ちは、「ホッとした」でした。
たしかに、厳しいです。自分次第で過去は関係ないということは、言い訳ができないことと同義です。
すべては自分のこれからにかかっていて、過去は関係ない。そう言われたら、前に進むしかないです。
わたしは偶然こっちの考え方にすでに寄っていましたが、辛い出来事の渦中にいる人や、今まさにどうしていいかわからず悩んでいる人からしたら、非常に厳しい内容なのではないかと感じました。
しかし、アドラー心理学の厳しさのベースには優しさがあります。わたしはそう感じました。また、この本は青年と哲人のやりとりという形のおかげか、厳しさだけでなく優しさがきちんとわかるようになっている気がします。
読者が青年に自分を重ね、「うんうん青年わかるよ」って感じで読み進めていくので、内容がわかりやすくスッと入ってきました。
一見小難しい本だと思われそうですが、予想より読みやすいです。
生きていて何かひっかかりがある人、モヤモヤしている人に読んでほしいです。人によってはイライラするかもしれないし、ホッとするかもしれないし、疑問が残るかもしれません。
いずれにしても、生き方を考えるきっかけになる本です。
まだ読んでいない人はぜひ♡